「ほら。」
「…なんだ、このキテレツな箱は？」
「キャラメル」
やっぱり、バッグのなかに入っていた。
よかった。
「なんだそれは？」
「キャラメル」
「だから、キャラメルとはなんだ！」
「未来の甘味だよ！」
「未来の甘味ですか！？」
突然沖田が食いついてくる。
なんだこいつは、さっきあれほど食べたのにまだ食べるつもりか？
「この箱は食べれるのか？
確かに木で出来た箱より柔らかいし、光沢もしているが、とても食べ物には…」
は？
「お前はバカだったのか。
中の物を食べるんだよ。中の物を。
原始人だって、んなことわかるわ」
「原始人？」
「そんなこといいから、早く食べろ」
箱を開けてキャラメルをだす土方。
いつも堂々としている土方がおどおどしているとなんかとても変だ。
包みを剥がさずそのまま食べようとしたから、私が見本をして見せた。
まるで小さい子供が薬をのむときのように、ジロジロとキャラメルを観察して恐る恐る口に運ぶ土方。
沖田も勝手に食べようとしていたが、別に止めようとも思わなかった。
