「茶番はそれくらいにしてください。」



今まで空気かと思っていた影から沖田がぬっと染み出てきて、私たちを注意する。







「で、土方。
相手は誰なんだ。」


「齊藤だ。
一応手加減するように言ってある。」



そんな、別にいいのに


「あと、勝ち負けではなく攻め方間の取り方などを見るから気にせずにやってくれていい。」




「そう。」





正直いって、試合にはかなりの自信がある。



あまり表だって、公式戦とかに出たことは無かったが、同い年にはとりあえず未だ負けなしだ。



年上ともなると、まぁ私も小さい頃は弱かったからなんとも言えないが、今では自分でも胸を張って強いと言える実力を持ってると自負してる。






まぁ、でもあの新撰組だし、一筋縄ではいかないってことはわかってる。


そう言う心の隙こそ危ないのだ。



勝てる勝てるなんて思わず、確実に冷静かつ沈着について見せるんだ。






相手は手加減をしようとしてる時点で、もうスタートラインは大きく違う。


だから、あの新撰組で1、2を争ったと言われる齊藤一を、手加減なんか忘れさせるくらい本気させるやるんだ。