「それでね、僕は君を一度この時代に帰したのだけれど、記憶を消す前に勝手に戻ってきちゃったんだよね。幕末に。

だから改めて君をこの時代に戻した。」



戻した…って、つまり今から私の記憶を…っ


「私の記憶を消すつもりか!?」



「うーん、そのつもりだったんだけどなぁ。
やっぱやめよっかなー、どしよ。」



どういうことだ…!



「君結構、幕末に依存しつつあるでしょ?
確かにあの時代は素敵だしその気持ちはすごーくわかる。
だから向こうにいさせたままにしたあげてもいいよ?」



「…何故?どうして?
歴史を変えてしまうかもしれないんだぞ?」



意味がわからない。


「君が向こうに1秒でも行った時点で、歴史は変わっている。」

「どういうことだ!?」


「僕等隊員は、誰かその時代にもとからいる人に成り済まし、調査をしている。
しかし君は君のまま、歴史には存在しない人物なのに幕末に存在してしまっていたんだ。

だから君が向こうに行った時点で歴史は変わった。

変わった歴史はパラレルワールドとなり正しい歴史と平行世界になる。
その平行世界は僕等の現代からしたら本当にどうでもいい世界でね、もし君が望むのなら連れてってあげるよ、っていっているんだ。」



「つまり、パラレルワールドとなった世界は捨て駒…、いらないから私がいようがいまいが関係ないと!?」




「…そうだ。
君が来たことにより生まれた世界は、ほぼいらない。
君の世界と言っても過言ではないんだよ三冷さん。」