「もうすぐ、フレンチトーストが出来るから待っててね」
「手伝おうか?」
「棚の中に蜂蜜があるから出しといてくれる?」
「ラジャー」
蜂蜜を食卓に出し、フォークとナイフを並べる。
今日も顔色の悪い奈々が部屋に入って来た。
もう着替えが済んでいる。
「おはよう、奈々さん。今日は早起きだね」
「今日はって何よ。ところで、義男が復帰したのね?」
うんと頷くと、料理しなくて済むと小さくガッツポーズをしていた。
あ、そういうことか。
「奈々さんの料理食べられなくて残念。さぞかし、上手なんでしょ?昨日、めちゃくちゃ文句言ってたし・・・」
昨日の仕返しに嫌味を言った。
奈々は明らかにむっとした顔をしていた。
「ちょっと、あんた何様?」
「あ、お兄ちゃん」
後ろを指差すと、奈々は笑顔を作り、振り返る。
「葵、おはよ~・・・っていないじゃない!」

