「もうすぐご飯にするから」
さっきサムライに扮してた紅虎はいつもの小豆ジャージに着替え、シャワーを浴びたのか髪が濡れていた。
いつの間に帰ってたんだろう?
お兄ちゃんとキッチンでああでもないこうでもないって言いながら料理してたから気付かなかったんだろうか?
テーブルに3人分のサラダを並べるお兄ちゃんを手伝うこともなく、ソファにどかりと座り、目の前のローテーブルに足を乗せている。
この家のオーナ様は態度がでかい。
「虎、どれ位食べるの?」
サンゴちゃんのピンクのふりふりエプロンが以外に似合うお兄ちゃんが、しゃもじとカレー皿を持ってキッチンからリビングを覗いていた。
カレーを盛っていると、奈々が帰って来た。
「葵が作ったの?食べる。着替えてくるから、用意しといて~」
本性バレてるのに、機嫌がいいのか甘えた声出しちゃって、あたしも一緒に作ったんだから!両頬を膨らませて、奈々が出て行った後の扉を睨んだ。
「何か、芋硬くね?つぅか、2、3日前、シチュー食った気すんだけど」
「あんたちゃんと茹ったの確認してからルー入れた?あ、葵の作ったマカロニサラダはおいしいよ」
一生懸命作ったのにこの2人ときたら文句しか言わない。
「お前、本当に家政科だったの?調理実習とかあるんじゃねぇの、授業で。カレーなんて一番簡単なやつだろ?」

