ずぶ濡れで帰って来たって?
熱出すくらいだからきっと・・・悪い方に考えるのもよくないよね。
やっぱりサンゴちゃんが話してくれるまで待つしかない。
ぶるぶると首を振って邪念を振り落とした。
トントンと階段を降りてくる足音が聞えて、顔を上げた。
え!?
思わず目が点になる。
「紅虎、何その格好?」
「見て解らないか?サムライだ」
袴姿の紅虎が颯爽と現われた。
腰元には木刀をぶら下げている。
「それで出掛けるの?」
「Why? 悪いか?」
何かのコスプレパーティーに参加するの?
サンゴちゃんが寝込んでいる時になんて男だ。
呆れながら、草履を履く紅虎の後ろ姿を見ていた。
紅虎は玄関先で軽く屈伸運動をすると、袴からニット帽(それも目と口のところに穴が空いている、顔全体をすっぽり覆うマスクみたいなやつ。色は勿論、赤!)を被り、よしっと気合いを入れると勢いよく扉を開け、駆け出して行った。

