「うわ、かすみ草?すごーい、きれい」


 食卓の花瓶にかすみ草の花束が生けられた。


 「近くにお花屋さんなんてあったっけ?」


 「商店街の終わりの奥まったところにあるの。店長さんがイケメンなのよ~」


 「もしかして前のミモザも?」


 「そうなの~」


 と恥らうサンゴちゃんを見て、なるほどを納得する。


 サンゴちゃんはリビングに花を飾るのが好きだ。


 花壇の花もサンゴちゃんが手入れをしている。


 花屋さんに通うには理由があったんだ。


 サンゴちゃんが蜂蜜入りのピーチティーを淹れてくれて、2人で飲んだ。


 「その花屋さんの店長のことが好きなの?」


 「彼は目の保養。好きな人は別にいるわ」


 「え~、誰?ってあたしが解るわけないか」


 フフフと笑い合う。


 ガールズ(?)トークは楽しい。


 「花はバイト決まった?」


 「うーん、なかなか難しい」


 さっきまで眺めていたアルバイト雑誌に再び目を向ける。