「やったぁ、草っぽよろしく~」
金次くんは草さんの肩を叩くと、ありがとうとにっこりと微笑んだ。
私はカーテンのレールを見て、確かにあそこにずらりとちっちゃなヒヨコが並んでたらかわいいかもとラブリーな想像をしていた。
家の外でバタバタと足音と人が話す声がし、「花~、ちょっと開けて~」と玄関の向こうからサンゴちゃんの声がした。
「ちょっと待ってて~」と慌てて玄関の鍵を開けると、両手いっぱいに荷物を抱えたサンゴちゃんと桃井くんが立っていた。
「うわ、すごい荷物だね」
「ついつい買いすぎちゃった。ちょっと、手伝ってもらえる?」
サンゴちゃんから荷物を1つ受け取り、リビングへと向かう。
サンゴちゃんが帰って来たのを知った草さんと金次くんも部屋から顔出した。
「あれ?虎ちゃんは?」
「さっき、金次くんと私がちょっと休憩してたら、めっちゃ怒ってたくせに、自分はニコチン切れとかで裏庭でタバコ吸ってる」
「そう、虎ちゃんらし~」とサンゴちゃんは微笑む。
食卓のテーブルに買ってきた食材を並べて、サンゴちゃんはふぅと一息吐く。
テーブルの上にはエナメルのつやつやした造花のような花、アンスリュームがいけられている。
夏っぽい南国の花ということでサンゴちゃんが数日前に買ってきたものだ。
「あ~、何だか疲れちゃった。料理の前に休憩させて~」

