アジアン雑貨が好きだった奈々の部屋から微かなお香の匂いが漂っている。
寂しい、でも、奈々の代わりにここに金次くんが来るんだと思うと楽しみでもある。
「purpleは奈々の色だからな。それ以外の色を選んでくれよ。野球選手のユニフォームのエーキュウケツバンみてぇなもんだ」
「じゃあさ、俺はゴールドにしてもいいかな?」
「Ah?gold?Are you kidding?趣味悪ぃ」
紅虎と金次くんが話をしながらRoom3に入って来た。
「何?金次くん、何色の部屋にするか決まったの?」
「うん、ゴールドはどうかなと思って?金箔を壁に貼ってさぁ、キンカクジみたいにするのはどぅ?」
金閣寺?
金次くんの発想についていけないでいると、
「お前、そんな壁でビョーブでも置くつもりか?」と紅虎が突っ込む。
ジョークのつもりが金次くんは「いいねぇ!」と声を弾ませている。
「金のビョーブも飾るからさ。虎っぽ、これから俺のこと殿って呼んでよ」と続ける。
紅虎はそんな金次くんを冷めた目で見ていると、イラッとしたのか頭を掻き毟った。
「却下だ!そんな開ける度に眩しそうな部屋は、お断りだ。I decided この部屋は茶色にする」
「え~!?茶色~?」
地味~と金次くんが声を上げる。

