「花、用意できた?」
部屋の外からお兄ちゃんの声がし、扉を開けた。
「あたしはいつでも出掛ける準備はOKなんだけど・・・紅虎は?」
「今、スーツケースとか荷物を車に積んでくれてる」
お兄ちゃんはあたしの部屋に入るとぐるりと中を見渡してベッドの端に座った。
「数ヶ月の間に随分変わったな」
と呟く。
「それって、部屋の事?」
初めてここに来た時は、白を基調とした配色とカントリー調の家具のみのシンプルな部屋だった。
サンゴちゃんのベッドを真似して天蓋を作って見たり、ベージュの丸いカーペットを敷いたり、窓と天井の間の壁には、麻紐を張って、クリップで挟んだ写真が並ぶ。
ここに引っ越して来てから撮られた写真で、一番新しい写真はロミさんの手作りウェディングの時の写真だ。
扉から入って左側の壁には草さんのアートが飾られている。
今のところの数は3つ。
一度凝りだすと止まらなくなって、今度は開いている壁際のスペースに正方形の棚を階段のように並べておきたいと思っている。
「それもあるけど・・・」
お兄ちゃんは意味深にあたしを見て微笑んだ。

