金次くんがお兄ちゃんに目掛けて倒れこみ、ぎぼちわるい、あにっぽ、吐きそう!と青ざめた顔をして訴えた。
お兄ちゃんは慌てて、金次くんをトイレに運ぶ。
「とりあえず、僕たちは買出しに行こうか・・・」
「・・・そうだね」
これ以上リビングにいたらこっちにまで被害が及びそうだったので、草さんとあたしはサイフを片手に家を出た。
「花ちゃんって虎の事が好きなんだね」
お酒やおつまみを買って家に向かう帰り道、ふと草さんが呟いた。
「え?どうして?」
慌ててしまい、返事に困っていると、やっぱりと草さんはくすりと笑った。
「ちょっと前からそうじゃないかなって思ってたんだよね」
慌てた事であたしの紅虎に対する思いが肯定になってしまったらしい。
あたしって本当に不器用だ。
「あの・・・あたしって、そんなに紅虎の事が好きって顔に出てますか?」
下手したらシェアハウスの全員が気付いてるかも?と思ったあたしは草さんに逆に質問した。
草さんは立ち止まり、黒ブチメガネの奥の瞳をぱちくりさせた。

