諭さんは慎重にケーキを下ろすと、気が抜けたのかふぅとため息を吐いた。
「フィンガーフードもおいしそう」
サンゴちゃんがプレート中のカナッペを見て興奮している。
「じゃ、私たちはお店があるからこの辺で、作戦が成功する事を祈ってるわ」
2人を見送りに門を出ると、助手席に乗るカヲルさんがシートベルトをしながらウィンクをした。
2人が乗る軽自動車が角を曲がるまで頭を下げると、慌てて家の中へと戻って行った。
普段滅多に鳴らない廊下の電話が鳴っている。
来た!
合図だ。
そう思って一呼吸置いてから受話器を取った。
電話の音に気付いたお兄ちゃんと草さんがリビングからこちらを覗きこんでいる。
「もしもし?」
「もっしも~し、オレオレ」
明るい声に緊張が解けた。
「金次くん?」
「そうそう、こっちは無事、ターゲットの捕獲に成功!鳩ぽっぽの車でそっちに向かいま~す。ナビの予定だと1時間位で着くって」

