「はい、草さんは美大生なんです」
口の中に物が入ってる草さんの代わりにあたしが答えた。
草さんはカヲルさんの質問に頷いて答えた。
「へぇ、彼といい、花ちゃんのお兄ちゃんといい、おいつか金次に会いに来たやんちゃそうな彼といい、花ちゃんの家はイケメンぞろいね。羨ましいわ~」
草さんは赤くなって下を向いてしまった。
その反応がかわいいとカヲルさんが言ったものだから、ますます縮こまってしまった。
諭さんはちょっぴりヤキモチを妬いたのかごほんと咳払いをした。
「花ちゃん、そろそろ上がっていいわよ。金次は今日は来れないみたいだから」
「金次くん、新しい仕事ですか?」
「今度は旅行番組に出るらしいわ。ジャングルの奥地に行くって。帰って来るのは来週だって」
「そうなんですか」
着替えを終え、カウンターに戻ると草さんはお会計を済ませていた。
おいしかったですと感想を述べ、僕も花ちゃんと一緒に帰る事にするよと腰を上げた。
「そうだ。忘れちゃうといけないから、先に渡しておくね」
草さんは思い出したようにツナギのポケットから取り出した。
拳大のアクリル樹脂。

