細身の長身で目つきの鋭い紅虎と比べて、白鷹さんはぽっちゃりとしていて、スーツのジャケットの間からベルトに乗ったお腹が見えるし、どちらかというと小柄で常にニコニコと笑顔を浮かべ、目尻も下がっている。
見るからにしていい人のオーラが出ている。
初対面なのにかなり好感が持てた。
久しぶりの兄弟の再会に乾杯とシャンパン(あたしは未成年なのでノンアルコール)を掲げるものの、紅虎は誰ともグラスを合わせず、そのまま一気に飲み干した。
「相変わらずの反抗期だな。虎くんは」
まいったなという風に白鷹さんは明るく笑った。
ロミさんの言う通り、白鷹さんは鈍感らしく、紅虎がロミさんに特別な感情を持っている事を知らないみたいだ。
その一言が紅虎の機嫌をますます悪くしている事も。
せめて料理はおいしく食べたいと、
「2人はどこの温泉に行くんですか?」
と今後の予定を聞いてみた。
白鷹さんとの会話は弾むものの、紅虎は一言も喋らず、もくもくと料理を口に運んでいる。
ロミさんも気を遣って紅虎に話掛けるものの、返事は素っ気ない。
ロミさんがシェアハウスに来た時と比べると反応が違い過ぎる。
そんなに白鷹さんとロミさんが一緒にいるのが嫌なの?
初めてのフランス料理のフルコースを食べているのに、緊張のせいで全然味わえなかった。

