「じつは・・・Hanaにお願いがあります」
顔を上げるとロミさんは真面目な顔をして、あたしを見つめていた。
「ただいま~」
バイトから帰ってくると、サンゴちゃんがテラス前の花壇の手入れをしていた。
梅雨前に植えたトマトはあたしの腰位の高さになり、2代目バジルももさもさしてきた。
気を抜いた途端に葉っぱを虫に食べられてしまうらしくて、毎日が戦いよ!とサンゴちゃんが言っていた。
「花、おかえり~。ね、ここ見て」
サンゴちゃんに手招きされ、近寄って見ると、指差した先に緑色のミニトマトがなっているのが見えた。
「あ、なってる。いつの間に?毎日通ってるのに気付かなかったよ」
「こっちにもなってるのよ。収穫する日が待ち遠しいわね」
サンゴちゃんがにっこりと微笑んだ。
「さっき、葵ちゃんが言ってたけど、出発の日決まったって。8月最初の金曜日らしいわ」
8月最初の金曜日って確か・・・カバンの中から手帳を取り出し、カレンダーをチェックする。
やっぱり・・・
「その日、あたしの誕生日だ」

