「虎にちょっとした変化が起きたのは小学生に上がる頃。今じゃ考えられないかもしれないけれど、子供の頃の虎はすごく引っ込み思案だったらしいんだ」
アジア人だから少し偏見もあったのかもしれないけれど、他の子供たちから仲間外れにされていた時期があったみたいだ。
「紅虎」という呼びにくい名前も原因の1つで、紅虎は自分の名前を嫌っていたらしい。
「それで、苛められている所に格好よく登場したのがロミさんってわけだ」
弟に何するの?今度、苛めたら許さないってね。
当時、優等生で容姿もあの通りだったから、学校のアイドルだったロミさんの一喝で苛めっ子たちは退散して行ったのだそうだ。
「紅虎って名前、すごくクールだと思うわ。あなたの名前はお父さんとお母さんが付けてくれた大切な名前なのよ。もっと誇りに思うべきだわ。ねぇ、すごくステキな発見をしたわ。私とあなたの名前には共通点があるの」
「それが「紅虎」の「紅」とロミさんのミドルネームの「スカーレット」どっちにも赤色が入るって」
「もしかしてそれが紅虎が赤にこだわる理由?「紅虎」って名前で呼ばれるのを嫌がる理由もロミさんだけに呼んで欲しいから?」
そういえば前に「紅虎って呼ぶのはロミだけの特権だ」って言ってたことがあった。
そういう事だったのか。
「日本に来ても珍しい名前だって知って、からかわれたりしたから嫌になったのもあるかもしれない。その辺の気持ちは俺には解らないよ」
お兄ちゃんは苦笑した。

