「何それ?真似しないでよ!今度は何を考えてるの?」
「教えない」
「また~~!?」
もういい寝ると自分のグラスを持って立ち上がった。
紅虎に何か閃かせちゃったけど、お兄ちゃんとの仲は心配する必要はなかったみたいだ。
「Thanks,Hana. おかげで頭が冷えた」
ぼそりと呟いた声は気のせいだろうか?
「今、お礼言った?サンクスって言った?ね、もう一回言ってみて、今度は日本語で」
「Never say again.」
お願いしたものの、しっしっと手を払われてしまった。
雨がしとしとと降り続いている。
あれからアジサイで有名な寺を何軒か回って、歩き疲れた所で茶屋に入った。
茅葺屋根の日本家屋風の茶屋で、通された席はお座敷だった。
お兄ちゃんは店に入ってからも店の外を眺めている。
「わらび餅おいしいね」とか「抹茶濃いね」とか話掛けるもあぁと小さく頷くだけだった。
ここに連れて来たのは失敗だったかな?

