家に戻ってきたのは11時を過ぎた頃だった。
紅虎を2人、2階へと向かい、「Room5」の部屋の扉をノックする。
「お兄ちゃん、花だけど、起きてる?」
声を掛けると、ちょっと待ってと返事が聞え、すぐに扉が開いた。
「ごめん、寝てた?」
「いや、大丈夫だけど、どうしたの、2人して」
お兄ちゃんはあたしと紅虎を交互に見て、不思議そうな顔をした。
家に帰って来るまでの車内でルビーママとどんな話をしたのかは紅虎に話していた。
「ちょっと話そう。中、入っていいか?」
いいけどとお兄ちゃんはあたしたちを部屋に招き入れた。
久しぶりに入るお兄ちゃんの部屋。
草さんが作った壁を彩るモザイクにクッ○ーモ○スターみたいなカーペット、ターコイズブルーのベッドカバーにイルカの抱き枕が横たわる。
いつかのように床下に置かれた丸いランプが青白い光を放ちながら回転し、魚の影絵が壁を泳いでいる。
静かな夜の水族館にいるみたいだ。
水族館?
あ、思い出した。
サファイアちゃんに繋がる記憶。
あたしは最近、彼女に会っていた。

