「・・・いえ、あの、質問いいですか?この男の人、見たことありますか?お客さんでお店に来たことありますか?」
お兄ちゃんの写メをルビーママに見せた。
ママは首を傾げ、
「この店に若い男が来るのも珍しいけどね。こんな美男子が来たなら忘れないと思うわ。心当たりがないから、お客さんじゃないわね」
と答えた。
ルビーママが嘘を吐いているようには思えない。
サファイアちゃんは紅虎の言う通り、あの様子からしてお兄ちゃんと関係があるに違いない。
「すみません、あたし、この辺で失礼します。お騒がせしました」
立ち上がり、ルビーママに頭を下げた。
ママは紅虎が置いていった一万円札をあたしに握らせた。
「今日は私のおごりだから。こちらこそ、不快な思いさせて悪かったわね。いつでもまた来てちょうだい。特に美男子は大歓迎よ」
気だるそうに煙を吐くとヒラヒラと手を振った。
「ルビーママ、最後にもう1つ。サファイアちゃんが最後に出勤する日っていつですか?」
チャラチャチャ~とイントロが聞え、常連客から、「よっ、ママの十八番」と合いの手が入る。
しずしずとロングスカートを翻して、ステージに向かうとルビーママがマイクを握る。
ルビーママののハスキーボイスを背にあたしは店を後にした。

