「What f○ck'in hell are you saying? ______! ________!」
思いつく限りのスラングが飛び出し、紅虎がキレた。
サファイアちゃんは呆然と立ち尽くしていたけれど、ハイボールが目に入ってしまったらしく、小さな唸り声を上げた。
「大丈夫ですか?」
近づいたあたしの手を払うと、トイレへ駆け込んで行った。
はっとして周りを見ると、店内の人全てがあたしたちに注目していた。
沈黙。
カラオケの懐メロだけが悲しく店内に響いた。
ルビーママが気転を利かせて、あたしたちのテーブルまで駆けつける。
「ごめんなさい。あの子、失礼なことしちゃったかしら?」
飛び散ったハイボールをふきんで手際よく拭きながら、紅虎に謝る。
紅虎はイラだったまま、パンツのポケットからサイフを取り出すと、中から万札を取り出し、テーブルの上に置いた。
「気分悪いから、帰るわ」
そう言って、ルビーママが引き止めるにも関わらず、それを吹っ切って店を出てった。
あたしは呆然としたまま、席を立てなかった。
ルビーママはごめんなさいねとひたすら謝り、とばっちりを受けて濡れたあたしの袖を拭いてくれた。

