そんな様子を見て、亮太くんはため息を吐いた。
「ああいう奴、本当に迷惑だよな」
隣に座る友達がぼそりと呟いた。
あたしたちが紅虎の連れだって知っててわざと聞えるように言ったのか、単に本音が出てしまったのか解らなかったけれど、亮太くんは黙り込んだままだ。
気を紛らわせようとジュースをがぶ飲みしていたら、トイレに行きたくなって来た。
「ごめん、草さん、ちょっと、トイレ」
奈々にトイレの場所を案内してもらって、席を離れた。
用を足して、洗面所で手を洗いながら、隣で化粧を直す奈々に訊ねた。
「亮太くんって普段、あんな感じなの?寡黙っていうか、おどおどしてるっていうか」
紅虎との受け答えにも素っ気ない感じがして、テレビで見る亮太くんとは違って気になっていた。
「そういえば、いつもより元気ないかも。いつもだったらお酒入るとスイッチも入って、女の子にベターってくっついてくるから。結構、女好きだよ彼。ファンのあんたには悪いけど」
やっぱり紅虎から聞いてたんだ。
心の中でちっと思いつつ、やっぱり今日の亮太くんはいつもの亮太くんと違うのかと納得する。
女好きって一面は知りたくなかったけど・・・奈々と一緒に店内に戻ると、亮太くんの連れがバーカウンターに座っていた。
「奈々ちゃん、ビールおかわりね」

