怪しげなネオンの看板が立ち並ぶ通りに出て、草さんとあたしはどこに視線を向けたらいいか解らず、ドギマギしながら紅虎の後について行った。
紅虎が立ち止まったのは新しい雑居ビルの前だった。
5階プラス地下もあるビルは全てが飲み屋だった。
スーツを着たギャル男チックな男の人数人がエレベーターの前で客引きをしている。
紅虎はそれらの営業を無視して、エレベーターに乗り込むと迷いなく最上階のボタンを押した。
エレベーターを降りるとそこには、ビビットな紫のネオンで「Girl's bar Violet Moon」と看板が。
あ、もしかしてここって・・・
「いらっしゃいませ~、あ、虎ちゃん」
扉を開けるあたしたちを出迎えてくれたのは奈々だった。
やっぱり。
ここって紅虎が紹介した奈々のバイト先。
この店のコスチュームなのか奈々は制服を着ていた。
赤いチェックのプリーツスカートからすらりと伸びた足を露にしてる。
「今日は制服デーなの。どう?似合ってる?」
奈々は紅虎の前でくるりと回ってポーズを取った。
あぁと紅虎は興味なさそうな返事をし、店の奥へと入って行った。

