いつもは花の生けてある食卓に今日は大きめの鉢がでんと置いてあった。
紫の小さい穂のような花の香りを嗅いでみる。
「ん~、いい香り、この花だったらあたしにも解るよ。ラベンダーでしょ?」
「そう、イケメン店長に薦められてつい、買ってしまったわ」
エプロン姿のサンゴちゃんが手際よくキャベツを千切りにしながら、キッチンから答えた。
「今日のご飯は何?」
「コロッケよ。じゃが芋が安かったの」
「コロッケってどうやって作るの?」
「教えてあげるから一緒に作りましょ」
手を洗って、サンゴ先生の指示の下、コロッケ作りに挑戦した。
下準備はすでにしてあったので、茹でたじゃが芋をつぶす所からだ。
「花、私、バイト始めることにしたの」
「え?決まったの?何するの?」
炒めたひき肉と玉ねぎを混ぜ込んだタネを丸くしながらサンゴちゃんは言った。
あたしもサンゴちゃんの真似をするけれど、いびつな丸になってしまった。
花は不器用ね~と先生の感想が入る。
知ってます、ちょっと泣きたくなってきた。

