草さんは手のひらとあたしを交互に見て微笑んだ。
「ありがとう、白砂さん」
「花でいいです」
草さんは四つ葉のクローバーを軽く右手に握って立ち上がった。
「ありがとう、花ちゃん。正直な気持ちを話したら楽になったよ。急に絵が描きたくなってきた」
草さんが軽く伸びをして、ゴミをベンチ横のゴミ箱に捨てた。
草さんが踵を返した瞬間に、チノパンのポケットからクロッキー帳が落ちた。
草さんは落としたことに気付いていないらしい。。
そのまま舗道の階段を降りている。
しょうがないなと屈んでクロッキー帳を手にすると紙の間に何か挟まっているのが見えた。
これってもしかして・・・・クロッキー帳を開いて見ると、1,2,3,4,5・・・たくさんの四つ葉のクローバーが挟んであった。
「草さんの嘘つき」
あたしより早く、しかもたくさんの四つ葉を見つけてた。
でも、あたしが勝ったことにしてくれたのは草さんの優しさだ。
このクロッキー帳は、後でお兄ちゃんが草さんの部屋の前で見つけたことにしてもらおう。

