草さんは了解したらしい。
ドラマの脚本に合った絵をスタッフと打ち合わせし、デッサンを決めた。
何パターンか同じテーマで描き、一番イメージに合うものを選んでもらう。
「ドラマで使う分の絵が完成したのが約3ヶ月前、終わったと思ったら、急に気が抜けちゃって、これは気持ちをリセットしないとダメだって、旅に出たんだ」
「リセットするまで3ヶ月もかかったんだ。お兄ちゃんが言ってた。いつもは3ヶ月も家を開けることなかったのにって」
「気付いたらどんどん南下してってた。自分で決めたのに、正直な所、僕の描いた絵が他人が描いた絵として世の中に出るのは悔しい。でも、どうしようもないだって解ってるから」
きっと紅虎が今の草さんの言葉を聞いていたら、悔しいままでいいのか?リベンジだ!とか言って、面白い計画立てちゃうんだろうな。
でも、今回のことは紅虎にも叔父さんに草さんを紹介したこともあるし、紅虎だって自分の仕事にも関わってくることだから大人しくするべきなんだろうな。
すごく、腑に落ちないけれど。
何も出来ない自分が悔しい。
せめて・・・
「これを草さんにあげます」
さっき見つけた四つ葉のクローバーを草さんの手のひらに乗せた。
小さすぎるクローバーじゃ役不足かもしれないけれど、
「これから草さんにたくさん幸せが訪れますように。願いを込めて」

