「僕はさ、地面に落ちてる葉っぱとか花とか拾ってくる子供だったんだ」
小さい頃の草さんはとにかく地面に落ちてるものをすぐカバンに入れてしまう召集癖があったのだという。
どんぐりや石ころ、ビンの蓋、他の人にはゴミのように思えるようなものを草さんは毎日のように拾ってきたらしい。
草さんのお母さんが草さんの拾ってきた花や葉っぱを見て、教えてくれたのが押し花だ。
拾って来た花や葉っぱを押し花にすることによって、新しい命を吹き込むことが出来る。
草さんは感動した。
「そのうち、それだけじゃ足りなくなってきて、葉っぱに絵の具を塗って、スタンプみたいにしたり、どんぐりや石ころを接着剤で貼り付けてみたり色々やってたなぁ」
思えば、それが僕が絵を描くことに夢中になるきっかけだったのかもと、草さんは昔を懐かしむように目を細めて語った。
子供向け絵画教室から始まり、芸術系の高校を出て、難関の美大に合格した。
「毎日、好きな絵が描けて、画法やデッサン力も上がって、それなりに充実した日々だったんだけど・・・自分がすごく小さな世界にいるような気がして、たぶんずっと思ってたんだと思うけど」
それってあたしと似てるかもとおおいに頷く。
「思い切って、大学2年の時、一人旅に出て見て、世界観が変わったんだ。大げさかもしれないけど」
点描画のような鮮やかな色使いのアボリジニーや街中の建物に壁画が描かれている壁画の街。
ジ○リを巡る旅で出会ったその土地特有の芸術たちは草さんの胸を熱くさせた。

