そうなんだけど、いざ金次くんの目の前で笹森亮太くんのファンですって言うのも恥ずかしい気がして。
ていうか、紅虎に鼻で笑われてバカって言われるよりはマシだった。
後で金次くんに訊いてみよう。
サインくらいは頼んでもいいよね?
「へぇ~、花っぽって笹森亮太ファンだったんだ。でも、ごめん。俺、全然仲良くなれなかったんだ」
思い切って金次くんに訊いてみたものの、あっさりとした返事が返ってきた。
「今までドラマの役ってエキストラみたいなのがほとんどで、今回の役を演じるのにいっぱいいっぱいだったんだよね」
いつもより早めの時間に現れた金次くんはカウンターで諭さんの作ったあさりのクリームパスタを頬張りながら答える。
「笹森亮太はすでにアイドルで売れてるし、俺は新人みたいな扱いだし、話しかけるのにちょっと勇気がいるっていうか・・・」
「え?金次くんでもそんな風に思うことあるの?」
カラトリー入れにフォークやナイフをセットしながら、金次くんに訊ねると、厨房であたしたちの話を聞いていた諭さんがぷっと噴出した。
「ちょっと花っぽ、それひどくな~い?」
サンゴちゃん口調で金次くんは言い返してきた。
「ごめん、言い過ぎたね。それでね、ドラマ見てびっくりしたんだけどね、亮太くんが描いていた絵がね、シェアメイトが描いた絵だったんだよね~」
「え?」

