お兄ちゃんが教えてくれたことによると、紅虎はテレビ番組の制作会社に就職が決まっているらしい。
紅虎の叔父さんがそっち関係の仕事をしているらしいので、完全なるコネ入社らしいのだが、紅虎は日本に来た時から、アシスタントとして就職先の会社でアルバイトをしているらしい。
紅虎が草さんの絵を紹介したんじゃないかっていうお兄ちゃんの予想は当たってた。
「紅虎って就職決まってたんだね。テレビ関係の仕事なんてすごい」
サンゴちゃんの植えたトマトとバジルの苗に水をやっていると、紅虎が新聞とタバコを片手にテラス席に座ったのを見計らって話かけた。
「葵から聞いたのか?」
「うん。昨日、金次くんが出演してるドラマを見てたら、たまたま草さんの絵が出てたの。お兄ちゃんが紅虎が紹介したんじゃないかって」
「So what?」
「もしかして・・・笹森亮太くんと知り合いだったりする?」
紅虎はちらりとこちらを見ると鼻で笑った。
その明らかに軽蔑にしたような視線は・・・
「バカじゃねぇの?」
はい、くると思った~。
何だよぅ、ちょっと訊いてみただけなのにさ。
「叔父さんに知り合いで絵描いている奴いるかって言われて、草を紹介しただけだ。深夜のドラマってだけで後はよく知らない。金次が俳優として出たなら、金次に訊いた方が早いだろ?」

