サンゴちゃんが作ったツナサラダとオリーブの乗ったバケットの皿を2人の間に置いて訊ねた。
裏庭のテーブルにはビーチに置くようなプラスティックの椅子が2脚と蒲際に木製のベンチが置いてあり、あたしは2人の話に入りたくて、ベンチに座った。
「大学2年の時、夏休みにオーストラリアに行ったんです。その時、丁度、ジ○リ作品にはまってて、オーストラリアには作品のモデルになってるって言われてるスポットがいくにもあるって聞いて、ジ○リの世界を回る旅をしてたんです」
草さんは振り返り、あたしに紅虎との出会いを語ってくれた。
紅虎は興味なさそうにバケットにかぶりつき、ビールを飲んでいる。
「オーストラリアの地図の右下の方にタスマニアっている小さな島があるんだけど、メルボルンって都市からフェリーに乗って、その島に向かう途中で会ったのが虎でした」
一人旅をしていた草さんはフェリーの自由席で転寝をしている隙にサイフを取られてしまった。
幸いパスポートやカード類は首から掛けていたので無事だった。
船員に説明しようにも英語が通じない。
困っていた時に助けてくれたのが紅虎だった。
「虎が英語で説明してくれて、助かりました。サイフは落し物のカウンターに届けられてました。現金は取られてたけど、ほとんどトラベラーズチェックだったから、被害額は最小限で済みました。その後、タスマニアに着くまで話して、虎が高校生で、日本の大学の入試を受けるって聞いて、場所が東京だったから、それから連絡を取るようになって」
「へぇ、運命的な出会いだったんですね」
「今は休学中だけど、日本に来てから僕の大学の学祭とか来てくれたよね」

