白いシャツにチノパン姿は笹森亮太くんを連想させた。
まさか、我が家に?
そんなはずはない。
自分にツッコミを入れるとその人が振り返った。
あ、メガネだ。
「草さんですか?一瞬、誰かと思っちゃいました。髪、切ったんですね」
まだあたしに慣れていないのかぎこちない笑顔で迎えてくれたのは草さんだった。
「今、お金持ってなくて、サンゴさんに切ってもらったんです。服も買っていただきました」
伏目がちにぼそぼそと答える草さんを眺めていた。
チョンマゲみたいに結ってあった髪をばっさり切り、小奇麗な格好をした草さんは昨日とは別人のようだった。
紅虎やサンゴちゃん程の身長はないけれど、170cm以上ある痩せ型の体型にサンゴちゃんの選んだ白シャツと細身のチノパンはよく似合っていた。
ただちょっと残念なのが、足元の健康サンダルの底が片方外れたままだったことだ。
「すごくいいと思います。髪形もさっぱりして。あたし、この方が好きです」
そう言うと、草さんは少し照れて頭を掻いた。
「あら、花、帰ってたの?おかえり~」
裏庭からサンゴちゃんが部屋の中に入って来た。

