容赦なくサンゴお母さんは指示を出した。
草さんは批判するわけでもなくすみませんと申し訳なさそうに謝って、サンゴちゃんの言われた通りに2階のバスルームへと向かった。
「何かインパクトのある人だね」
「あの子、磨けばいい男になるわよ。私、ああいうだらしないけど原石みたいな男を見るとムラムラしちゃうわ!」
どうやら、草さんはサンゴちゃんの構いたくなるスイッチを押してしまったらしい。
もたもたとした足取りで階段を上り草さんの後ろ姿を見ながら目をキラキラさせていた。
「みんな、久しぶり~」
洗い終えたグラスを磨いていると、金次くんがやって来た。
久しぶりに見る金次くんは髪の色を黒に戻し、全体的にパーマをかけ、後ろを刈り上げた髪型になっていた。
相変わらず、耳にはピアスがいっぱい付いてたけど、大きめのフレームのメガネをしてお店に現れた金次くんは別人みたいだった。
「相変わらず、久しぶりに見ると誰?ってくらいの変わりようね」
この時間、お客さんもまばらなので、カウンター席で新しいデザートの考案をしていたカヲルさんが微笑む。
「イメージはね、テクノポップやってる人」
カヲルさんの前でDJのように機器をいじるジェスチャーをする。
はいはい、自分ドラマではミュージシャンの役なのねと軽く受け流す。

