「どうも、Room1の白砂花です。間さんの隣に住む白砂葵はお兄ちゃんです」
「Room4の間草です。お初にお目に掛かります」
初対面同士、ぎこちない感じで自己紹介をする。
サンゴちゃんは草さんに興味津々の目を向けて、
「で、いつの間に帰って来てたの?私たち、全然気付かなかったからびっくりしたわ」
「たぶん、3日前とか?・・・あやふやですけど」
少し考えるように空を見つめながら草さんは呟く。
「え~、だったら降りてきたら良かったのに。空腹で倒れるくらい我慢しなくても・・・」
「旅の集大成と思って、キャンバスに向かったら止まらなくなってしまって、気付いたら倒れてました。たぶん、意識を失った時に赤い絵の具のチューブの上に倒れたんだと思います。だから、チューブが破裂して血のり塗ったみたいに腕や顔が真っ赤に・・・」
メガネ、根暗、ダサい、ガリガリ・・・奈々が草さんの印象について言ってたことがぐるぐる頭の中を回ってる。
すごく失礼なのは解ってる。
解ってるけど・・・
でろでろになって色褪せた2トーンカラーのロンTに毛玉だらけのスウェット・・・煤けた黒ブチメガネに片方の底が外れてる健康サンダル。
紅虎とは違った意味でヤバイ気がする。
「という事は3日はお風呂に入ってないのね。初対面で失礼だけど、ちょっと匂うわよ。紅茶が飲み終わったらお風呂に入りなさい。きちんとお湯を溜めてね。それと、そのヒゲもお剃りなさい」

