なんせ人が多くて、お日様が照っていたから疲れてしまった。


 ちょっと休憩と自動販売機で奈々はジュースを買った。


 「意外、奈々ってお茶か炭酸だったらノンカロリーしか飲まないと思ってた」


 「そんなことないわよ。炭酸だったら迷わずこれを買う。グレープ味」


 奈々は笑うとペットボトルの蓋を開けた。


 お~いと遠くから叫ぶ声がして、振り向くと鳩羽さんがあたしたちを見つけて、こちらに駆けてくるところだった。


 奈々と会うのはあのリベンジ作戦の時以来らしいから、久しぶりの再会に鳩羽さんは溢れんばかりの笑みである。


 奈々も無邪気な笑顔で鳩羽さんに手を振る。


 この笑顔は自然に出てきたものなのか、もしくは男の人にしなを作る奈々の演技なのかは解らなかったけれど、あたしは断然、鳩羽さんの恋を応援するぞって誓った。