イジワル王子の溺愛




「……菊池さん?」


「えっ?なに?」


「どうかした?」


「え、なん、でもないよ?」


「そう?楽しみだねークラスマッチ」


「…そうだね。」



楽しみ、なんて最近どこかに消えていた


幸せも楽しみも、誰かがどこかに投げちゃった


自分で投げたんだが、人に投げられたのかなんて忘れちゃった


空はどこまでも綺麗で、とてつもなく青い



小さな街、穏やかな日常の中でかき消された小さな幸せ