どこにも、届かない声 ―――いやだ 気づいてくれ 「し、か……椎香!」 「翼!!?」 開いた扉から入ってきた姿は、まるで天使のようだった 「椎香……」 「目が、覚めたの?」 俺を見る瞳は見開かれ、一瞬にして涙に濡れた