イジワル王子の溺愛




「は?何言って…」


―――♪♪


「携帯、鳴ってるよ」


「…あぁ、悪い」


タイミングよく携帯が鳴って、あたしは翼から解放された


掴まれた手首は微かに赤くなっていて、痛かった


「…何の用だ?今忙し…」


誰からかはわかんないけど、望むのは彼女さんからじゃないでほしいってこと



あたしだって滅多にメールや電話はしないから



「はぁ?花火大会?」


夏はもうすぐ終わる
この辺ではその時期になると恒例の、小さな花火大会が行われる