イジワル王子の溺愛




「あの、佐久間翼の病室は…っ」


「502号室です。」


「ありがとうございます!」


「ちょ…っ廊下は走らないでください!」


看護師さんの言葉なんて聞かずに、あたしは病室まで走った


―――ガラッ


「だから言ったろ?」


「あはは、面白いっすね先生」



扉を開けると、聞き慣れた笑い声が耳に入ってきた


……え?



「あれ、椎香?」


ベッドの上、ケロッとした顔であたしを見る翼と、隣に白衣の先生の姿




え……なんで?


あたしはその場にへたり込んだ