しばらくバスに揺られ、バス停に到着すると、バスの降り口から人が吐き出された。
「ああ、息苦しかった」
バス停に降り立って深呼吸していると、後ろから肩をぽんっと叩かれた。
振り返ると、目の前に阿久津と美咲が立っていて。
「こんばんは」
美咲に笑顔で声をかけられたので、
「こんばんは」
と、とりあえず挨拶したが、二人の顔をまともに見ることはできなかった。
「奈緒ちゃんたちも来てたんだね、花火」
「あ、はい……」
「奈緒ちゃんもお友達も浴衣似合ってるよ。かわいい」
「ありがとうございます」
奈緒と加菜の声が重なる。
「やっぱり、花火大会は浴衣だよねぇ。涼介さんも着たらって言ったんだけど、「いい」って断られちゃったのよ」
美咲はそう言いながらも、とても嬉しそうだ。

