痛い。

頭がガンガンする。

布団の中で目を開けると、見覚えのない天井が目に入ってきて、眠気が吹っ飛んだ。

鉛のように重い頭をなんとか起こして自分がいる場所を確認する。

寝心地のよかったベッドがダブルベッドだと気づき、慌てて布団をめくり自分の身体を見た。

無事、昨日の服を着ている。

どうやら頭をよぎった危ういことは、なにもなかったようだ。

その部屋にはベッドの他に背の低い本棚があった。

本棚に並んでいるのは法律関係の本といくらかの文庫本。

昨日、バイトの帰りに君島先生と飲みに行って、いろいろ話したところまでは覚えているが。

その後の記憶がまったく、ない。

と、いうことは、ここは君島先生の家、なんだろうか。

奈緒はベッドから降りて、おそるおそる寝室の扉を開けた。

……トイレに行きたい。

この家の主を探して廊下に出ると、シャワーの音が聞こえてきた。

主は浴室にいるようだ。

どうしようかしばらく悩んだが、こればかりは悩んでも解決することができないので、トイレだと思われる扉をそっと開けた。

すると、そこには予想だにしなかった光景が飛び込んできた。