Fate.LOVER        ~運命の恋人~

「ルオン。
その人間を渡してくれたら
ナラガに頼んでもいいよ」


「何?」


「だからー、
そいつをルオンが捕まえたっていえば
ちょっとは汚名返上できるんじゃない?
僕はルオンを敵にしたくない。
今からでも遅くないと思うよ。」



カルは私を鋭く睨んだ



「大体さぁ…「こいつは、」」


「え?」


「俺はこいつを守るって決めた。
黒四獣にも戻ろうとは思わない
たとえ捕まったとしても
考えを変えるつもりはない。
もしお前がこいつを殺したら
俺がお前を殺してやるよ」



ルオン…



「ルオン、本気なのか?」


「大マジだよ。」



その瞬間カルの眼の色が変わった


「裏切り者め…。」



カルが向かってくる

一瞬で間合いを詰められ
カルは前足を振りあげた


この時、私には世界が
スローモーションに見えていた



ゆっくりと振り下ろされる
カルの鋭い爪がついた大きな前足。


私は思わず顔を伏せる


すると、何か…
いや、ルオンの口が近づいてきて
私の服をくわえた


っ?


次の瞬間、
私の体は崖の方の空に浮いていた

横にはルオン。



遠くの崖の上には
ポカンと立っているカルがいる