「カルだ…」

ルオンはすくっと頭をあげて
辺りの様子をうかがっている


「カルが近くにいる、
ここは危ない」

「カルって黒四獣の黒豹だよね」


「カルは黒四獣の中で一番足が速い
追いつかれたらおしまいだ」

「それやばくない?」

「相当な。」


そう言ってルオンは
さっさと歩き始めた


「和音、走れるか?」

「うん」

「あいつは視力と脚力は優れてる
けど、聴覚と嗅覚はそんなに
効かないはずだ
見つからないうちに
なるべく遠くに行こう」


ルオンと私は走る

走るっていっても
ルオンは小走りで、
私はけっこう全力なんだけど