朝、家を出る時におつかいを
頼まれていた私は駅前の
スーパーに寄り家に帰った

辺りが薄暗くなる頃、
私は人気の少ない
路地を歩いていた


しばらくすると、
遠くからぼんやりと
人の影が向かってくるのが見えた

人の形がはっきりしてきた時
私は目を疑った


その人は男の人だった
そしてその隣には黒い狼が一匹
ぴったりとついて、
歩いてきていた


犬に見間違えてるだけ
だと思ったけど
あの大きさ、大きな耳、
とがり気味の口…
その姿はあきらかに狼だった


5mほどまで近づいた時
男の人と目が合った

その瞬間、狼は消えて
その男の人は逃げるように
脇道に走り去った



今のは一体…



帰ってベッドに入っても
あの黒い狼のことが
忘れられないでいた

それと同時に
今までに経験したことのないくらい
ワクワクしている自分がいた