「やつらはお前を殺す気だ」

「え、私っ…」

夏鳥は私の顔を見ると
ふぅっと息をはいた

「しっかり掴まっとけ」

「え?」

夏鳥の言葉を理解できずにいると
急に足元をすくわれた

「きゃっ!」

「うるせー」

私はいわゆるお姫様抱っこを
されたのだ

「ちょ、夏鳥!?」

「お前、走んの遅いんだよ」

私は顔をひょこっと出し
後ろを見た

悪魔との距離がさっきよりは
随分離れている

まわりを見るとすごいスピードで
建物が流れていた

「走るの速っ」

「狼なめんな。」