今の魔界は
黒四獣と呼ばれる4頭の
魔獣たちよって支配されている

黒狼のルオン、
黒豹のカル、
黒虎のロルダ

そして、その頂点にいるのが
黒獅子のナラガだ


今、ルオンが向かっている
城こそ彼らの寝ぐらである


ルオンは門をくぐりぬけ
中庭を歩く

すると草の影に小さな生き物が
横たわっているのが見えた


鳥か…?


俺は周りに誰もいないのを確認して
そっと声をかけた


「おい…おーい…」

俺が呼びかけると
小さな奴は
「ううん…」と声をあげた


「おい、こんなところに
いたら喰われるぞ」

「ぅう…飛べないのです。」


そいつは妖精だった

「妖精、お前はどこから来た?」

「北のスールから…」

桃色をしたその妖精は
弱々しくそう答えた

「スルーからか…」