補習居残り。
「先生ー暇ー」
「今は無理」
「ゲームやろうぜ」
「は?」
「ゲームだって!その名も好き好きゲーム!」
「……なんだそれ」
何を言い出すかと思えばゲームって。
しかも好き好きゲームってなんだ?
「兄貴が言ってたんだよなー。最近家で好き好きゲームが流行ってて……」
誠の話なんてそっちのけで俺は妄想した。
『兄貴が好き』
『俺も好き』
∞ループ……。
なんてゲームだ。
想像してやっぱやめよう、と言いかけた時だった。
「先生が好き」
「は!?」
突然言われて混乱する。
不意をつかれたせいか声が上ずった。
丁度向かい合ってるもんだから驚いているのがすぐにバレた。
「先生って不意打ち弱いっしょ」
ぴくりと肩が動いた。
誠が俺の方に体を乗り出して顎を掴まれる。
「俺、先生ならいけそう。たまには先生が受けになってもいいんじゃない?」