(「かぁわいぃ~~~~」) これを見ていたクラスのだいたいの男子がそう思ったが、だれも口にしない。 そして、私ももちろん気づかない。 そして、翔の顔が若干赤くなっていたことに気付いたのは沙織だけ。 そのすべての状態を知っていたのは聡だけ。 「・・・さーおーりー。大丈夫?」 「あ、うん。今行く。じゃ、行くね?」 私は小さくうなずくと、沙織は私の頭を軽くなでて小走りで廊下へ向かっていった。