そのまま時間は過ぎて、下校となった。 千里は、ぽてぽてと歩きながら、校門を出て行った。 彼女の友達と一緒に帰ろうとしていた千里だったが、女子たちに囲まれているため、あきらめて帰ったのが大体察しがついた。 俺の方にも女子の大群が来そうになったが、来る前に隠れて帰ったから、大丈夫だった。 千里の50メートルほど後ろを歩く。 俺の前を歩いている男子グループが喋っていた。 「おい、見ろよ。鈴川千里だぜ。」 俺はその言葉を聞いたから、彼らの会話をちょっと盗み聞きすることにした。