私は軽く微笑む。 優しいな。東君は。 「はい。」 そう言って東君は手を差し出す。 私が疑問の色を浮かべていると、 「だって、帰んなきゃだめでしょ?」 そう言い、立っている東君は座ってる私の手をつかみ、引っ張り上げた。 「送ってくよ。」 「え、いいよー。」 「いいからいいから。」 そう言うと、東君は先を歩いていく。