「ただいまー。」 「お帰りー。」 お母さんの声がしたが、そちらには行かず、自分の部屋へ・・・。 鞄をドスっとおろすと、声が聞こえた。 「開いてるし・・・。」 窓が開いていたから、向こうの声がこちらに聞こえてきたのだろう。 今回はここで閉めてしまうが、今回はぐっとこらえて、窓を開けてベランダへ。 すると、 「あれ、今日は閉めないんだ。」 という夏樹君の声。 びくぅとして、急に肩に力が入る。