「それにこうして、俊秀君は江梨子のお見舞いに来てくれるしね。自分の体調も万全じゃないのに」








点滴を付けたまま、江梨子の様子を見に来てる俺。
江梨子のお母さんは、その事を言っている。




俺は照れくさくなって、返事をしないまま、江梨子かお母さんの隣りに椅子を出して、座った。

病院の丸椅子は軽いから、片腕の自由がきかない俺でも、簡単に椅子を運ぶ事が出来た。







「ほら江梨子、今日も俊秀君がお見舞いに来てくれたわよ」




江梨子のお母さんは、優しく江梨子に声をかける。

しかし、当たり前だけど。
意識が無い江梨子は反応しない。



そして、おばさんは「今日も」って言った。




「聞いてるんですか?」

「俊秀君が毎日のように、江梨子のお見舞いに来てる事?」




俺は頷く。








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